現在の特許法では、特許権は個人のものになる。
特許庁は2014年10月17日にこれを改正し、企業のものにする方針を明らかにした。
同年の11月中旬に国会に改正案を提出予定。
今まで特許を個人から会社のものにするためには、同等の対価を払う必要があったが、基準があいまいだったため、たびたび裁判になることがあった。
これを解消するために法案を改正するのだと思われる。
確かに会社のお金を使って研究した成果なのだから、会社のものになるのはおかしいことはないと思われる。 企業は研究者が転職した場合でも研究成果の流出を避けることができるため企業のメリットは大きい。
しかし、これはよくない傾向だと思う。
現状、ただでさえ研究者は研究成果に見合った報酬を得ていないことが問題になっている。
今回のことで会社のものになった場合、研究者は自分の成果を自分のものにできなくなり、転職すると自分の成果がなかったものになってしまう。
海外ではどうかというと、国によってばらばらだ。
アメリカでは契約次第。企業のものにすることが多いようだ。その代わりボーナスが多く支給される制度になっている。しかし、その報酬は内容に見合ったものになっていない。そのため、意識の高い研究者はある程度するとベンチャーとして起業し新たな発明をすることが多い。もちろんリスクはあるが、企業にいる間に十分な学習をしているため、失敗することはそれほど多くないと聞く。
仮の今回の法案が通った場合、企業は優秀な人材の流出を避けるために報酬をアップするなどしないといけないと思われる。
日本ではベンチャーとしての企業はしにくい環境にあるため、外資系の企業に転職することが容易に想像がつく。
そして、また日本の技術的な国際競争力を落とすのは日本にとっても企業にとってもよくないことだ。
企業にはこのことをよく考えてもらいたいし、国も法改正を行う場合は企業へのこうした指導を徹底してほしい。
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