2014年10月21日火曜日

ADMのCEOが、COOのLisa Su氏が就任

ADMのCEOが、COOのLisa Su氏が就任
http://japan.cnet.com/news/business/35054928/

AMDのCEOがRory Read氏からCOOだったLisa Su氏が就任しました。
Su氏の経歴は以下のようになっています。

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MIT(マサチューセッツ工科大学)電気工学部で学士号、修士号、博士号を取得
SPDC(Semiconductor Process and Device Center)のTexas Instrumentsで技術スタッフメンバー
1994年 IBMの半導体研究開発センターの副社長
2007年 Freescale Semiconductor, Inc ネットワーキングとマルチメディア事業部の上級副社長兼事業部総括
 最高技術責任者としてテクノロジー・ロードマップ(予定表)や研究開発を指揮した
2012年1月 AMD グローバル事業部の上級副社長兼事業部総括に就任

※詳細はAMDホームページをご確認ください。
http://www.amd.com/ja-jp/who-we-are/corporate-information/leadership/lisa-su
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上記のように技術者としてとても優れたキャリアを思っていることがわかります。

日本ではCEOが変わったことで社風の変化はすくないですが、海外の企業では社風・方針が大きく変わるビックイベントです。

前CEOのRead氏は取締役を退任し、アドバイザーとなる予定とのこと。
Read氏はIBMに23年間務め、LenovoでCOOを務めていました。

IBM出身からIBM出身にCEOが変わったことでIBM色が今まで以上に濃くなったことがわかります。

IBM出身ということでマネージャとしての能力、技術力が非常に高いと思われます。特にIBM出身の方は私の経験上、非常にリスク管理に強いイメージがあります。

リスク管理に強いということは、リスクと取らないために回りに企業にしわ寄せがくることが非常に多いです。つまり、マザーボードなどを作っている企業へのしわ寄せが懸念されます。このことは非常にPC業界にインパクトがあります。今までAMDのCPUはCPUの世代変わってもマザーボードを変えなくても済む互換性の高いCPUでした。一方ライバルのIntelはCPU世代が変わるとマザーボードを変えなくてはいけないタイプです。

今回のCEO交代によって、Intelのようになるかもしれません。リスク管理の観点からその方が、利益が出やすくなるのでありえないことではありません。そうするとAMDがよく使われているのは、自作PCか低スペックノートPCです。一般ユーザは低スペックPCで十分です。研究開発費の少ない低スペックPCは、マザーボードの互換性が高いものを選び、再設計を少なくしたいと考える企業が多いためです。そうすると低スペックPCの価格が高騰する可能性があるので、PC業界にはインパクトがあることです。
現在Su氏がどのようなことを考えているかわかりませんし、発表もされていません。この後の対応に注目したいと思います。

また、今回の就任に際し、Su氏は次のように述べています。「このような変革における重要な時期にAMDを主導する機会をいただき、光栄に思っております。AMDの世界一流の技術資産と当社チームの素晴らしい才能と情熱の組み合わせにより、コンピューティングの未来を形成する機会がもたらされます。さまざまな市場向けの業界をリードするテクノロジーと製品を開発し、持続性と収益性のある成長を推進するなか、リードの指導下で築かれた強固な基盤を拡大していくことを楽しみにしています。」

とてもやる気のあるコメントだと思います。44歳のSu氏はやる気に満ちていると思われます。気になるのは、「さまざまな市場向け」というところです。
CPUの市場はおおむね、PC市場、組込市場、ゲーム市場です。
これらに対してそれぞれどのような取り組みをするのか注目どころだと思っています。
特に組込市場です。組込市場は、ARMアーキテクチャを用いてFreescaleやRenesasなどの企業がシェアのほとんどを持っています。Freescale出身でもあるSu氏がここに力を入れるとすると市場を大きく動かすことになると思います。


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