2015年1月15日木曜日

イギリス政府が暗号化されている通話アプリを禁止へ

イギリス政府が通話内容を解読するために暗号化されている通話アプリを禁止する方針を発表した。
今回の対象は政府が暗号化を解読できるものは対象外とのこと。
まだ、法案は提出されていないため、まだ正式に決まるかどうかはわかりません。

http://www.cnn.co.jp/tech/35058956.html


キャメロン首相は近年起きているテロ行為を懸念し、テロリストが安全に通話できる環境をなくすことが目的のようです。

しかし、この法案が通ってしまうと以下のような問題があります。
①ほとんどの通話アプリが使用できなくなる。
 MicrosoftのSkype、Googleのハングアウト、Appleのiメッセージ、facebookのWhatsApp等、近年の通話アプリは暗号化するのが当たり前の状況になっています。
 これらすべてが利用不能になります。

②技術的に大変
 各社が今回の法案でイギリス専用を用意するかは不明ですが、ただ作るだけではすみません。
 例:英国→Skype→日本
   英国とSkype間はプレーンテキスト、Skypeと日本は暗号化
   というよぅな動作をしないといけなくなる。

 これは技術的に大変であるのと同時、各事業者に大きな負担を作ることになります。

③プライバシーとの問題
 当然、テロリストだけでなく一般人も暗号化されないため、プライバシー保護ができなくなります。
 欧米諸国はプライバシー侵害に対する抵抗が強いです。それに対して国はどう保障するのかはっきりさせなくはいけません。

④暗号化の解析法を政府に提供する?
 仮にアプリの暗号化したまま利用する場合は、暗号化の解析方法を政府に提供するような体制が必要になると思われます。
 これがクラッカーによって奪われた場合、世界中の通話はダダ漏れという状態になります。
 現実的に絶対に漏れない体制など作ることができない現状でどう対応するのか政府には問われます。

⑤ハッカーによる盗聴が容易に
 暗号化されていない通信はハッカーの的です。やり放題といっても過言ではありません。
 これはリアルでのテロが減ったとしてもサイバー上のテロや犯罪が増えることが間違いありません。

⑥そもそも政府はインターネット上の情報を自由に取得してよいの?
 ヨーロッパではリアルですら、犯罪を防ぐために路上への監視カメラの設置を断念しました。
 にも関わらずインターネット上は自由に監視してよいというのは傲慢ではないでしょうか。
 リアルとサイバーの違いはどこにあるのでしょうか?これを明確にしないまま法案が通ってしまうことは今後絶対に禍根を残します。

⑦他国へ広まる可能性
 成功事例ができた場合、他国も同様の対応を使用とするでしょう。
 これはかつて、植民地の独立運動と同じように1か所が成功すれば次は俺たちがというのと一緒の原理です。
 そのたびは、企業は対応しなくていけなかったりと世界が混乱することでしょう。


これらの問題について、英国はどのように考えるかはっきりさせてほしいです。
自分の国だけでなく、世界全体を意識した政策を行わなくては現在のグローバル化させた社会ではいけないと思っています。
自分本位な行動は世界の混乱を招き、治安の悪化、経済の低迷等様々なことが発生します。

そして一番の問題は、これらの問題を問題・課題と認識しないことだと思います。

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