2014年12月16日火曜日

『科学者の心得』暫定版公表

日本学術振興会が『科学者の心得』の暫定版を11月28日に公表しました。

http://www.jsps.go.jp/pablications/data/rinri_j.pdf


今回、『科学者の心得』を公表した理由ははじめにの項を読むとわかります。概要をまとめると以下のようになると思います。

『科学の持つ根源的な価値観である「真理の探求」をおろそかにされている事例があり、社会からの科学に対する信頼が落ちることを危惧しています。責任ある科学者として科学研究のあるべき姿や誠実な科学者として身につけておくべき心得を公表する』

これは日本だけの話ではなく、海外を含めても正しい論文が公開されたり、偽装された論文が出現したりしたことが影響しているのだと思います。
最近だとSTAP細胞のニュースが大きく取り上げられたことも影響していると思います。

この傾向は科学の分野だけにとどまらず、様々な学会であることだと思っています。本資料は科学者だけでなく学者は皆読むべきだと思います。

また、メディアはこのような科学の業界の取り組みをもっと広めてほしいです。そして少しでも科学に興味を持つ人間を増やしてほしいと思っています。

目次は以下のようになっています。

第1章 責任ある研究活動とは
第2章 研究計画を立てる
第3章 研究を進める
第4章 研究成果を発表する
第5章 共同研究をどう進めるか
第6章 研究費を適切に使用する
第7章 科学研究の質の向上に寄与するために
第8章 社会の発展のために

1章ではそもそもなぜ研究活動を行うのかについて書いてあります。
2章3章では研究活動を1つのプロジェクトと考えて、どのようにすればうまくいくのか、またその時どのようなことを管理しないといけないのかが記載されています。
4章では成果をどう発表するか、また発表時にやってはいけないことがまとまっています。
5章では近年の動向として1つの組織では研究ができないことが増えていることに対してどのように対応すべきかについて記載れています。
6章は費用に対しての責任、使い方、管理の仕方について記載さています。PMBOKのコスト管理に近いことが書いてあります。
7章は後進の研究者の育成と不正防止について記載されています。
8章は今後の社会貢献について書いてあります。

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