IPA/SECから今年のソフトウェア開発データ白書が公開されました。
http://www.ipa.go.jp/sec/reports/20141226.html
・データ収集件数は3,325件→3,541件で216件増えています。・例年に比べ、改修・保守の開発が圧倒的に多い。年々新規開発が減っている。
・プロジェクトの9割が受託開発。対象組織のほとんどがベンダー・メーカーであるためこのような結果になっていると予想されるが、日本ではパッケージのプロジェクトがほとんどないことがわかる。
・対象プロジェクトの3割は金融業。2位は製造、3位は情報通信。
小売業やサービス業、飲食業等が少ないことから非常に攻めのIT利用が進んでいないことがよくわかる。
・対称業務は、1位は管理一般、2位は営業・販売、3位は経理・会計。2位は良いとして1位、3位に売上や利益に貢献できるシステムが対象ではないため、各社事業に専念できていないことがわかる。
・システムの処理形態は対話処理が一番多い。次にオンライントランザクション。バッチ処理が一番少ない傾向にあった。これは非常に良い傾向だと思っている。これからのITはよりリアルタイムであることの方がシステムとして利用しやすく使えるシステムになり、ビジネスのスピードについていける。
・アーキテクチャは、1位はイントラネット/インターネット、2位3位がクライアント/サーバ。未だにクラサバが支流になっているのはよくないと感じている。現在のアーキテクチャではブラウザベースのシステムが最も早く開発ができ、利用しやすいものだと考えられるため。
・開発言語は3割がJava。COBOL、VB、C言語と続く。Javaが多いのは日本の開発現状から考えて妥当。理由は各社独自のフレームワークを用意し、ユーザー企業に売り込んでいるため。また汎用性も高いため、お互いにメリットが高い。COBOLはメインフレームとメインフレームのダウンサイジング先で利用されているケースが多い。特に銀行業、製造業、卸業では未だにメインフレームを活用しているケースが多いので自然な傾向。VBはクラサバシステムで利用されていることが想定される。
・DBはOracleがダントツに1位。SQLserver、PostgreSQL、HiRDB、DB2と次ぐ。HiRDBが4位に入っているのは、ALL日立でシステムを作っている企業(銀行系に多い)が多いためだと思われる。MySQL離れが進みPosgreSQLに以降している印象がある。MySQLがOracleに買収された影響は非常に大きいことがわかる。
・開発規模はSLOCで図っている企業がほとんど。FPや他の手法での規模の測り方が浸透していない。
・開発規模のほとんどは50kSLOC以下。これは保守開発が多いためだと思われる。
・工期のほとんどは12か月以下。1年以上のプロジェクトは少ない。それだけビジネスのスピードについていかなくてはいけない。
・稼働後の不具合はほとんど5件以下。平均12件。これは全体的には信頼性の高いプロジェクトが多いが、信頼性の低いプロジェクトは存在しそのプロジェクトは圧倒的に不具合が多い(70件以上)。
・品質保証は、プロジェクトメンバーで実施している場合とプロジェクト外の専門部隊でやっている場合があり半々くらい。
・テスト計画はあって、関係者でのレビューは8割を超えている。すでに当たり前のことになっている。
しかし、網羅性測定は実施していない。テスト漏れがあることは否めない。
・社会的影響が極めて大きい、人命に影響・甚大な経済損失は15%程度。感覚的には多い気がする。
本年は重要インフラ系の開発が多く守りのプロジェクトが多いことがわかる。
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